セブの子どもたちに将来の夢を聞くと、「先生」と答える子がとても多いです。
子どもたちの家庭では、保護者が荷物運搬、警備、清掃、家庭内での内職などでわずかな収入を得てい場合が多いです。
貧しい家庭の多い集落では、子どもたちの周りにきちんと給料をもらえる仕事に就いている大人が少なく、唯一の身近な職業は学校の教師、というのが、先生になりたい子どもが多い理由のひとつだと思います。
夢の多様化
ところが最近は、子どもたちの将来の夢が広がってきたように感じます。
もちろん、現在も教師は人気の職業なのですが、医者、看護師、会計士、ITエンジニア、プログラマー、シェフ、ファッションデザイナーなどになりたいという子どもも増えてきました。
それ以外にも、警官や消防士、軍人、キャビンアテンダント、モデルなど、子どもたちの将来の夢は様々です。
大学への進学
子どもたちが夢を叶えて希望する職業に就くためには、義務教育である高校を卒業することはもちろん、職業によっては目指すコースのある大学へ進学し専門的な勉強を続けたり、資格を取る必要があります。
幸い数年前から、国立大学やセブ市やタリサイ市の一定の要件を満たす公立大学では、住民の授業料が免除されるようになりました。
セブ市内には名門の私立大学があり特色のある学科も多いです。国公立の大学に限定すると選択肢が狭まってしまうのですが、優秀な子どもたちには授業料が免除になる国公立大学を目指すか、奨学金をもらうために努力するよう、早い時期から進路指導を行なっています。
授業料が免除になるとはいえ、貧困層の子どもたちが大学に進学し、学業に専念するのは容易なことではありません。
授業料以外の経費や通学費がかかるうえ、年下の兄弟姉妹を学校に行かせたり家計を助けるために働く必要があるためです。
特に途中でドロップアウトした子どもの場合は、20歳を超えてから高校を卒業することもあり、早く仕事に就いて生活費を稼ぐ必要に迫られます。
フィリピンの大学の授業は一般的な日本の大学と比べるととても忙しいのですが、安い給料をもらいながら、ほぼフルタイムで働きながら勉強している学生も多いです。
子どもたちが逆境にめげずに勉強を続け、小さい頃の夢を叶えられるよう頑張って欲しいものです。