数年前までセブ市の山間部の集落は、学校などがある麓の街からハバル・ハバルというバイクタクシーで、狭い路地を登ってたどり着く場所でした。
子どもたちの家庭には、水道や電気が引かれていない家もありました。
ところが、最近は状況が変わってきました。
数年前に集落の近くにコンドミニアムと言われる分譲マンションができ始めてから、徐々に周辺の開発が進んできました。
集落に向かう道路にはいつの間にか警備のゲートができ、行き止まりだった道路が延長・拡張され、スーパーマーケットなどもできて、近所は高級住宅街になってきました。
集落の人たちには働き口ができ、子どもたちの父兄の中にもマンションの清掃作業員として働いている人がいます。
家庭には以前はなかった電気が引かれ、テレビなどの家電品がある家も増えてきました。
生活が安定するほど十分な給料がもらえる訳ではありませんが、子どもを学校に通わせることができるようになった家庭が増えてきました。
一方で、フィリピンでは物価が上がり、生活に何かとお金がかかるようになってきました。
フィリピンの2023年のインフレ率は6.34%(日本は2.73%)です。(IMF・2023年4月)
例えば、コロナ前に7-8ペソだったセブ市内のジープニーの運賃は、2023年7月現在12ペソまで上がりました。
現金収入がなければ、ますます生活が厳しくなっています。
アガパイが活動している地域内の家庭には、両親がおらず祖父母に預けられていたり、兄弟姉妹だけで生活している子どもたちがまだまだ大勢います。これからもこの子たちが取り残されることのないよう、継続的な支援が必要になると考えています。